大会長挨拶

NPO法人口から食べる幸せを守る会

理事長 小山 珠美 

 

 平素から当NPO法人の活動におきまして、多大なるご理解とご支援を賜りまして厚く御礼申し上げます。皆様方のお力添えで、当会の活動も5年目を迎えることができました。振り返ると、開設当時の意気込みからは程遠い紆余曲折などもあったことを思えば、こうして5回目の全国大会を開催できることに感慨深さが押し寄せてきます。改めまして、多くの力強い仲間と歩んでこれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

 本大会のスローガンは“食べる支援の進化を目指そう”です。ようやく、多くの方々が口から食べる支援の重要性を理解し、関係職種の連携強化や包括的支援スキルが広がりを増すようになりました。食べる支援は、尊い生命を支えることであり、希望を伸ばすことであり、多くの人々に幸福をもたらすということがサイエンスとしても実証されつつあります。その背景には、加速化する高齢社会でよりよく生きていくための「食べる支援の価値」について多くの人たちが真に考えるようになったことがあげられます。また、この分野において、研究成果などが書籍や雑誌などで多く紹介されるようになり、エビデンスレベルへと発展していることも要因でしょう。加えて、メディアでの報道が追い風となり、当事者目線で食を支えることの気運が高まってきたことも影響しています。とはいえ、現況の医療や福祉の現場では、口から食べたい願いが叶わず、点滴や胃ろう栄養のみという方々も大勢いらっしゃいます。NPOの事務局には、食べる支援をやってくれる人材や施設を求めているという相談のメールが未だ多く寄せられています。つまりは、さらなる社会全体の意識変革、異職種間の連携、食支援スキルの進化が必要ということに他なりません。

 そこで、今回の大会では、代替栄養が優先され食べる支援がなぜ後回しになってきたのか?超高齢社会において命の終焉をどう支えていくのか?真のチームアプローチとは何か!などについて討論していきます。その上で、食支援スキルをレガシーとして次世代に継承するためにはどうすればいいか。過去を活かし、今を挑み、未来に昇華させていくためのゆるぎない道筋を創り出したいと思います。皆様と一緒に、知恵と力を結集し、食べ続けることが当たり前の優しい長寿社会への進化を目指していきましょう。多くの方々のご参加をお待ちしております。


概要